非常勤職員の就労時間

通勤時間、着替え、休憩時間などどこまで就労とするのか、正しい就労時間の考え方は?

投稿日時: 2018年9月26日 20:06

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匿名医師

BEST ANSWER

 社会保険労務士法人日本ヒューマンブレーンの圖司と申します。

 ご質問いただいている就労時間に関する件、労働(就労)時間については、最高裁判例で、「労働時間(中略)とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではない」とされています(三菱重工業長崎造船所事件 最高裁 平12.3.9)。

 つまり、「労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいう。」となります。ちなみに常勤・非常勤による違いはありません。


 この概念に沿って、お問い合わせの内容を見ていくと、

 通勤時間については、労務提供を行う為に必要な時間ではありますが、その時間は通常使用者の指揮命令下に入っていない労務提供以前の時間であることから、その間、特段の指示等が使用者からある場合は別として、原則として労働時間には該当しないことになります。

 休憩時間についても同様に、使用者の指揮命令下に無い自由に利用できる時間であることから、原則として労働時間には該当しないことになります。

 ただし、昼休み中の電話当番や来客時の対応等を命じられた場合、事業所内での在席が義務付けられ場所的に拘束を受けること、また、電話や来客があった場合は、即時に対応することが求められる(実際に対応することがあったかどうかは問いません)ことから、労働者が労働から離れることが保障されている状態ではなく、休憩時間には当たりません(手待ち時間として労働時間になります)。

 その為、この様な当番を命じている(具体的な指示でなくても対応せざるを得ない状況の場合も同様)場合は、別途休憩時間を与えなければなりません。


 なお、休憩時間については、労働基準法第34条で労働時間が6時間を超える場合は、少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を労働時間の途中に与えなければない、自由に利用させなければならない等の規定があることから、この点についても留意が必要です。

 最後に着替え時間についてですが、前述の最高裁判例においての争点の1つです。

 この判決では、「労働者が就業を命じられた業務の準備行為等を事業所内において行うことを使用者から義務付けられ、またはこれを余儀なくされたときは、その行為を所定労働時間外に行うものとされている場合でも、その行為は、特段の事情のない限り、使用者の指揮命令下に置かれたものと評価できる。」と判断しています。

 判断のポイントとしては、
・使用者の明示の命令がある(就業規則等によって、業務中は使用者が貸与した所定の制服を着用しなければならないと規定している。等)
・使用者の黙示の命令がある(上記の様な直接の規定が無い場合でも着用しない場合、就業規則上の処分を受けたり、人事考課に反映される等の不利益な取り扱いを受ける。等)
・使用者の場所的な拘束がある(更衣の場所を所定の更衣室で行う様に義務づけている。等)
・業務を行うために通常必要とされている(法令上、当該業務の遂行時に着用することが義務付けられている。等)
等が挙げらます。

 これらのことから、制服着用を義務付けていて、所定の更衣室等で着替えを行わなければならない場合、着替え時間は労働時間として取扱う必要があると考えます。

 その他の事案も含め、厚生労働省が発出している「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」が判断時のご参考になると思いますので、お時間のある際に合わせてご確認をいただければと存じます。

投稿日時: 2018年9月27日 16:03

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圖司 宏一

社会保険労務士 社会保険労務士法人日本ヒューマンブレーン

投稿日時: 2018年9月27日 16:03

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 社会保険労務士法人日本ヒューマンブレーンの圖司と申します。

 ご質問いただいている就労時間に関する件、労働(就労)時間については、最高裁判例で、「労働時間(中略)とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではない」とされています(三菱重工業長崎造船所事件 最高裁 平12.3.9)。

 つまり、「労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいう。」となります。ちなみに常勤・非常勤による違いはありません。


 この概念に沿って、お問い合わせの内容を見ていくと、

 通勤時間については、労務提供を行う為に必要な時間ではありますが、その時間は通常使用者の指揮命令下に入っていない労務提供以前の時間であることから、その間、特段の指示等が使用者からある場合は別として、原則として労働時間には該当しないことになります。

 休憩時間についても同様に、使用者の指揮命令下に無い自由に利用できる時間であることから、原則として労働時間には該当しないことになります。

 ただし、昼休み中の電話当番や来客時の対応等を命じられた場合、事業所内での在席が義務付けられ場所的に拘束を受けること、また、電話や来客があった場合は、即時に対応することが求められる(実際に対応することがあったかどうかは問いません)ことから、労働者が労働から離れることが保障されている状態ではなく、休憩時間には当たりません(手待ち時間として労働時間になります)。

 その為、この様な当番を命じている(具体的な指示でなくても対応せざるを得ない状況の場合も同様)場合は、別途休憩時間を与えなければなりません。


 なお、休憩時間については、労働基準法第34条で労働時間が6時間を超える場合は、少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を労働時間の途中に与えなければない、自由に利用させなければならない等の規定があることから、この点についても留意が必要です。

 最後に着替え時間についてですが、前述の最高裁判例においての争点の1つです。

 この判決では、「労働者が就業を命じられた業務の準備行為等を事業所内において行うことを使用者から義務付けられ、またはこれを余儀なくされたときは、その行為を所定労働時間外に行うものとされている場合でも、その行為は、特段の事情のない限り、使用者の指揮命令下に置かれたものと評価できる。」と判断しています。

 判断のポイントとしては、
・使用者の明示の命令がある(就業規則等によって、業務中は使用者が貸与した所定の制服を着用しなければならないと規定している。等)
・使用者の黙示の命令がある(上記の様な直接の規定が無い場合でも着用しない場合、就業規則上の処分を受けたり、人事考課に反映される等の不利益な取り扱いを受ける。等)
・使用者の場所的な拘束がある(更衣の場所を所定の更衣室で行う様に義務づけている。等)
・業務を行うために通常必要とされている(法令上、当該業務の遂行時に着用することが義務付けられている。等)
等が挙げらます。

 これらのことから、制服着用を義務付けていて、所定の更衣室等で着替えを行わなければならない場合、着替え時間は労働時間として取扱う必要があると考えます。

 その他の事案も含め、厚生労働省が発出している「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」が判断時のご参考になると思いますので、お時間のある際に合わせてご確認をいただければと存じます。

投稿日時: 2018年9月27日 16:03

なるほど 0

圖司 宏一

社会保険労務士 社会保険労務士法人日本ヒューマンブレーン

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