開業事例インタビュー記事

開業事例 〜『健康教室』開催が地域貢献とクリニック周知に繋がった なかじま内科クリニック〜(前編)

なかじま内科クリニック

なかじま内科クリニック

▲なかじま内科クリニック 中島英洋院長・中島尚子副院長 

2019年5月、兵庫県伊丹市の阪急OASIS2階に開業したなかじま内科クリニック。院長、副院長共にアメリカでの研究生活を経て帰国し、大学教授や厚生労働省の検疫所長を勤めたあと、これまでの経験を地域に還元したいと50代での開業を決意。開業までの準備や集患のためにどのような施策を行ったか、中島英洋院長と中島尚子副院長に伺った。

長年の研究生活のあと、社会に恩返しをしたいと開業を決意

院長「開業を決めたのはかなり遅い方だったと思います。アメリカで14年間研究生活を送り、帰国してからは管理栄養士の育成を目指す大学で11年間教授を務めていましたので、学究生活が長かった。臨床医としてはブランクがありましたが、それまでの経験を臨床に活かしたいと思ったのと、ある程度の年齢になると、やはり最後は自分で全部やってみたいという気持ちも強くなってきたのです。
何より、それまで医師になる際や海外大学での研究で、資金や機会を与えてくれた社会へ恩返しをしたいという気持ちが大きな動機となりました。公立の学校で大学まで教育を受けましたし、留学費用も奨学金を受け、アメリカではAHA(アメリカ心臓協会)やNIH(アメリカ国立衛生研究所)から給与をもらっていました。
私も副院長も開業医の子弟だったので、開業をそれほど遠いものとは思わず、頑張ればできるだろうという気持ちはありました。決意が固まったところで、地域の病院に勤務しながら3年間準備をしたわけです。副院長は僕より1年早く、厚生労働省の検疫所長から臨床に戻っていましたが」

理想の開業場所

院長「この場所は開業支援コンサルタントの方に紹介していただきましたが、他にもいくつか見た中で、雰囲気がアメリカ時代に目にしていたモールの中にあるクリニックによく似ていて、一目で気に入りました。
ここなら患者さんも来やすいですし、一般のお客様にも知っていただけます。バス停にも近く、近隣に大きなマンションや公団住宅もあり、自宅からも近いという理想的な場所でした。どうしてもこの場所で開業したいと思いました。苦労もありましたが、自分がここだと確信する場所で開業するのはとても大切なことだと思います」

内覧会、ポスティング、広告のほか、予防接種も

院長「クリニックを知っていただくためにいろいろな周知活動を実施しましたが、中でもやはり内覧会は反響が良かったですね。また具体的に効果が現れたのがポスティングです。業者さんが頑張って撒いてくださったからか、1年以上、効果が続きましたし、開業して3年近く経つ今でもチラシを見たのでと来院する患者さんがいます。ホームページを見て来ました、という患者さんも最近は多いですね。また、最寄り駅の改札を出たところにある柱の広告スペースが気に入り、そこに広告を出しています」

副院長「集患というのとは少し違いますが、予防接種も結果的にクリニックの周知に役立っているのではないかと思います。地域の方が多く来院され、ワクチンがきっかけで当院を知ったという方も多くいらっしゃいます。利益に直結するかというと、そうとも言えないですが、地域の方々に役に立つという意味ではよかったと思います」

院長「患者さん同士の口コミの力も大きく、よく似た病状の方が『私も診て欲しい』と来院されることもあります」

集患と周知のための取り組みとして開催した「健康教室」

院長「もう一つ、大きな取り組みとして行ったのが『健康教室』で、これはDCPソリューションから提案していただきました」

中島院長から開業までの経歴や経緯を聞き、これまでの社会への恩返しや地域医療に貢献したいという思いを知ったDCPソリューションの担当者が、スギ薬局グループとしてできることはないかと検討。
管理栄養士を店舗に配置しようという動きがスギ薬局であったことや、院長が管理栄養士の養成課程に関わっていたことから食事療法に詳しく、食事療法の推進にも繋がるだろうと『健康教室』の開催を提案したという。

院長「提案を伺い、これはいい、生活習慣病治療の観点からも、地域貢献の一環としてもお役に立てると思いましたね。全3回の健康教室を開催することを決め、一般の方の関心が高くクリニックとしても重要性が高いと考えてテーマを選びました」

 

健康教室テーマ

※第3回は新型コロナウィルス感染症発生のため中止に

 

院長「どうすれば内容がわかりやすくなるか、講師の副院長や管理栄養士の方と打ち合わせをし、プレゼンの方法も工夫しました。
生活習慣病治療には「薬・運動・食事」の3つが必要ですが、例えば「1日に塩分何g」「たんぱく質何g」と言っても、具体化しないとイメージできません。管理栄養士さんが作った食事を見て、実食してもらうのが一番わかりやすい。
患者さんに1日どれくらい塩分を摂取しているのかを尿中から推定してお知らせすることもありますが、摂取量の多い人の中には、食塩や醤油を調味料として直接的に用いることは控えていても、保存食品や加工食品中に含まれている塩分を認識していないため、どこでそんなに摂っているのか実感がないのです。また、慣れ親しんだ味付けを矯正することは簡単ではありません。
今回はスギ薬局のご提供で、実際の調整食を参加者が試食し、こういう味付けなのだと知ってもらえたのがとてもよかったですね。また減塩調味料などについては、実際にクリニック階下の阪急OASISで購入できるものを見せてくださったので、すぐ実践できたのではないかと思います。評判も良く、とても有意義な教室になりました」

副院長「公務員時代に何度も一般市民向けの講演はしていたのですが、今回の健康教室では、健康に対して興味を持ってもらえるように内容も考えました。
待合室で実施し、20名弱の参加でしたが、患者さん以外に地域の方にも来ていただけましたし、皆さん熱心に聞いてくださいました。
実施にあたって告知のチラシを阪急OASISやスギ薬局に置いたので、『こんなことをやっているんだ』と地域の方が興味を持つきっかけにもなったのではないでしょうか」

院長「健康に対する意識のある方が来てくださったという意味でも有意義な取り組みでした。当院なら食事や栄養の話も聞けるのではと、脂質異常症や糖尿病の患者さんが来院されています。
今はまだ新型コロナウィルスの感染状況も落ち着かず、人を集めるのが状況的に難しいのですが、健康教室は機会があればまたぜひやりたいですね。
スギ薬局に常駐の管理栄養士がいれば、いろいろな相談をしたり、患者さんに話をしてもらったりなど、いわば薬剤師の栄養・食事版のようなスタイルの取り組みも、いずれ実現したいと思います」

 

▲第2回健康教室の様子 

→後編はこちら

取材・文/清水真保 撮影/貝原弘次

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