クリニック開業資金の融資について
開業するには、1.不動産物件を契約する、2.内装工事を行う、3.医療機器を購入する、4.スタッフを雇用する等多額の資金が必要になります。
開業資金としては、開業形態、診療科目、手術をするかどうか、高額医療機器を導入するかどうかでも異なりますが、ビル診療所でだいたい5000万円から1億円くらいかかります。
開業資金を全額自己資金で賄える先生はまずいないと思います。開業資金は通常金融機関からの借入とリース会社からのリースによって調達します。金融機関から資金調達を行うためには金融機関に融資の申し込みを行って、審査を受けなければなりません。
融資の申し込みに際しては以下の書類が必要になります。
1.前2年分の確定申告書
2.医師免許証・歯科医師免許証のコピー
3.内装代(建築費)の見積書
4.医療機器の見積書
5.賃貸借契約書のコピー(土地売買契約書)
6.履歴書(学歴、職歴、専門医等の資格、所属学会を記載)
7.開業の理念と戦略(簡潔に4つくらいにまとめる)
8.診療圏調査データ
9.住宅ローン等の現在の負債がわかるもの
10.所有不動産(担保予定の物件)の登記簿謄本
11.運転免許書コピー
12.自己資金が確認できる通帳のコピー
13.事業計画書
14.保証人の収入証明書
この場合の自己資金についてですが、だいたい開業資金の1割程度、金額にして500万円から1000万円程度は用意する必要があります。
この自己資金は金融機関に見せるだけで、実際には開業資金としては使わず開業資金は全額借入で調達することをお勧めしています。
なぜならば、自己資金を使わず全額借り入れで行っても医院開業は十ニ分に採算がとれる事業だからです。
自己資金は借り入れた資金がショートした場合の予備資金としてとっておき、もし使う必要がなくなったならば住宅購入の際の頭金ないしは住宅ローンの繰り上げ返済に使うことをお勧めしています。
しかし中には自己資金がなく金融機関に見せることができない先生もいます。
自己資金が0円ですと、金融機関からは開業に対する計画性がないと判断され融資を受けることが難しくなります。
こうした場合には、親や友人から一時的にお金を借りて自己資金として見せるテクニックもありますが、見せ金だと金融機関にわかってしまうと融資はおりませんので注意が必要です。
自己資金の額が少なくても金融機関によっては融資してくれるところもありますが、融資条件が悪くなってしまいます。
開業を計画している場合には最低限の自己資金を計画的に準備しておくことをお勧めいたします。
保証人については、1.不要な場合、2.収入のない配偶者等形だけの場合、3.保証能力のある収入がある人のケースに分けられます。
現在クリニック開業に対する融資の場合、2のケースが多いのですが、保証人が全くいない1のケースでも融資してくれる金融機関もあります。
湯沢会計事務所 代表税理士 湯沢勝信
http://yuzawacom