開業事例インタビュー記事

開業事例〜専門医の特性を生かし、地縁のある場所で開業したまつい消化器内科クリニック(前編)〜

まつい消化器内科クリニック

まつい消化器内科クリニック

▲まつい消化器内科クリニック院長 松井健一氏

研修医時代からの地縁がある愛知県刈谷市のスギ薬局富士見店2階で、2021年11月に開業したまつい消化器内科クリニック。消化器内科医、内視鏡専門医、肝臓専門医としての独自性を生かし、地域に密着するクリニックを目指す松井健一院長に、開業までの準備や開業前後の施策を中心に話を伺った。

出身病院があり、地縁のある場所での開業を決意

研修医の頃から将来の開業は視野に入れていました。親族に開業医が多く、特に幼い頃、祖父がにこやかに患者さんと話している姿を見て良い印象を持ったのも、患者さんとより身近に接することができる開業医を志した理由の一つになったように思います。
消化器内科を専門に選んだのは、学生や研修医の頃に最も関心を持った分野だからです。内視鏡の手技に興味がありましたし、患者さんと深く関わり全身を診ることができるのも魅力でした。 研修医の頃に、のちに恩師となる消化器内科の先生と出会ったのも非常に大きかったです。刈谷豊田総合病院で研修医としてスタートし 、消化器内科医となり名古屋大学消化器内科に入局、その後、名古屋大学医学部附属病院、豊田厚生病院で消化器内科医として、また内視鏡の専門医として経験を重ね、技術を磨きました。

開業準備については、最初は開業セミナーに参加したり情報収集をしていただけでしたが、徐々に物件を探し始めました。当初は戸建て物件で考えていたのですが、資金面、立地面を考えると条件に合うところがなかなか見つかりませんでした。しかしある時、インターネットでとあるスギ薬局の併設クリニックの募集をしている告知を見て、こういう形態があることを初めて知りました。それまでは普通に戸建てで開業するということしか頭になく、土地を借りて駐車場も確保するとなると、いろいろ大変だなというイメージしかありませんでしたから。そこでスギ薬局の開業支援(DCPソリューション)のホームページの問い合わせフォームよりメールを送ったところ、すぐに返事を頂き、一度DCPソリューションの担当者とお会いしましたが、そのときはそれ以上の話は進みませんでした。ただ担当者の方が真摯に対応してくださったことに、大変良い印象を持ちました。その後しばらくしてから、私が刈谷豊田総合病院で勤務経験のある事を覚えていてくださっていた同じ担当者から連絡があり、同院近くのスギ薬局富士見店併設クリニックの提案があり、結果としてこちらでの開業を決めました。DCPソリューションの他に、開業専門コンサルタントや卸業者など計3社くらいとも話をしていましたが、いずれもここならやれる、と確信を持つまでには至りませんでした。最終的にここで開業しようと決意したのは、DCPソリューションの担当者の方のお人柄による部分も非常に大きかったです。かゆいところに手が届くような感じで、対応も早く適切で、まさにかじ取り役として動いてくださいました。

ここ刈谷市は研修医、消化器内科医としての元々の出発点の地で馴染みもあり、刈谷豊田総合病院や近隣のクリニックにも知っている先生方が多く、病診連携・診診連携も図れる。さらに交通量の多い道路沿いで駐車スペースも広いなど立地条件も満足のいくものでした。また、この地域の中核病院である刈谷豊田総合病院出身であることも周辺の方にとって安心感を持っていただけるのではと思っています。現在も刈谷豊田総合病院で週1日 内視鏡検査の非常勤勤務を行っており、同院の先生方とも定期的に情報交換を行っています。

コンサルタントに依頼すること、自分で進めることを分けて準備を

準備を始めた時期は新型コロナウイルス感染の状況が悪化していましたが、開業予定が1年後でしたので、その頃にはある程度いろいろと整備され、落ち着いているだろうという希望的観測があったのと、発熱外来など社会的なニーズを考えた時、コロナ禍はそこまで開業のマイナス要素になるとは思っていませんでした。むしろ、感染対策をしっかりと行い、患者さんに安心して受診して頂ければと。患者さんが滞在する部屋の自動換気、定期的な窓の開放、消毒、空気清浄機、入り口に手洗い場所の設置など、考えられる限りの対策を取りました。もちろん我々スタッフも手洗い・うがいの徹底や毎日の検温など、最大限注意を払っています。

 
▲待合室・診察室・内視鏡室などには空気清浄機を設置

開業にあたって準備することは多岐に渡りますが、DCPソリューションに主にお願いするところと、自分でするところを分けて進めていました。
DCPソリューションには全体的なスケジュール管理と資金調達面を中心に進めていただきました。融資を受ける銀行を2行紹介いただいて比較検討し、今のところに決めました。自分で趣意書を作成し、クリニックのコンセプトを伝えましたが、おかげさまで交渉は非常にスムーズに進みました。
それ以外は私が中心になり、クリニックの内装については先輩ドクターに紹介された業者さんに依頼し、医療機器は開業前から付き合いがあったところに発注しました。DCPソリューションにも相談に乗っていただきましたが、医療機器や電子カルテ、ホームページ作成なども、「ここを使ってほしい」という条件がなく自由にやらせてもらったことも、お任せして良かった点ですね。特に内視鏡とエコーにはこだわりがあり、購入の交渉も自分で行いましたが、かなり好条件の提示があり、満足いく状況で揃えられたと思います。
クリニックの設備については、広さがある物件だったのでそれを最大限活用し、大腸内視鏡検査の前処置用のトイレ付個室を作るなど、自分のやりたい医療を実践すると同時に患者さん目線に立って、必要なものは前述の内装業者さんと綿密に打ち合わせして備えることにしました。この業者さんは大阪のクリニック専門の設計施工会社で、担当の方々には打ち合わせなどで何度も愛知県に足を運んでいただいたうえで、長年の経験に裏打ちされたプロの目から見たアドバイスをいただき、本当に真摯に対応してくださいました。おかげさまで自分が思い描いていた通りのクリニックができ上がりました。
診療を行っている現在も、機能面や患者さん・スタッフなどの動線の面においても満足のいくものとなっています。


 
▲大腸カメラの検査前の処置は全て個室で。個室ごとにトイレやテレビモニターも備わっている。

 

▲内視鏡室。検査受ける患者さんがリラックスできる空間になっており、検査台もゆとりのある大きなサイズのものを導入している。

スタッフの募集は折込チラシやWeb広告を通じて行い、予想をはるかに超える多数の応募がありました。「病気ではなく"人”を”診る”ていねいな診療」という、当クリニックの理念を打ち出した募集に共感してくれた、素晴らしい人たちに来ていただけました。皆、患者さんに丁寧に接してくれており、自分から能動的に動いてくれる人が多く、むしろこちらが助けられています。

 

→後編はこちら

 

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