失敗しないクリニック開業物件選定

物件選定 ~現地確認 ~戸建て編~~

医療設計のコーディネーターをしています鈴木です。
 
今回は物件選定の際の最重要事項と言っても過言ではないテーマとなります。
「現地確認」です。
 
これは当たり前!
っと思われる先生方もいるかと思います。
しかし、以前に次のようなことがありました。
 
土地勘がありすぎるために、現地確認を疎かにしてしまった。
 
開業を希望するエリアは比較的土地勘がある場所になると思います。
土地勘がある場所でもしっかりと現地確認を行うことをお勧め致します。
 
現地確認は重要なため、戸建て(土地)編とテナント編の2回に分けて紹介致します。
今回は、戸建て編です。
 
現地確認を行うことで次のことが解るようになります。
 
 
図面や地図、ストリートビューなどでは解らないことが現地に行くと見えてきます。
また出来るだけ現地見学の際は、先輩ドクターや医療実績のある方の同席を依頼して下さい。
他の人や専門家の意見は重要な参考となります。
 
現地確認を行う際の大きなポイントをご紹介させて頂きます。
 
 
★土地の高低差と障害物
現地確認で解ることと重複致しますが、敷地内はやはり高低差や障害物は無い方が良いです。
高低差がある場合、どこを基準とするのか?
大きな木などがあった場合、
残すのか? 移設するのか? 撤去するのか?
など検討する必要があります。
高低差を揃えるためや障害物を移設や撤去するためにコストがかかりますので
現地確認を行ない事前に把握して頂いた方が良いです。
また、市区町村から発表している防災マップやハザードマップも確認することをお勧め致します。
 
 
★用途地域
用途地域とは、都市計画法の一つで、建築できる建物の種類、用途の制限を定めた地域のことです。
原則12種類あり、大きく分けて「住居系」「商業系」「工業系」の3種類となります。
無床診療所の場合、条例など特定の定めがない限り、全ての用途にてクリニックの建築は可能です。
しかし、調剤薬局の開局の場合は異なり、開局できる場所の用途地域に制限があるため、院外処方として薬局と隣接開業を希望する際は注意が必要です。
 
 
★農地は注意
農地とは、土地の不動産登記の地目が「田または畑」の土地のことです。
一つの注意点が現状の見た目ではなく、不動産登記の状態です。
見た目は何もない更地なのに登記上「田まはた畑」の場合があります。
地目が農地の場合、必ず初めに行なわなくてはいけないことがあります。
それは、農地転用手続きです。
地目を「農地」から「宅地」へ変更する手続きのことです。
この手続きを行わないと、クリニックの建築は出来ません。
農地には「青地」と「白地」の2種類があります。
転用の順番として、「青地」→「白地」→「宅地」となります。
この農地転用(農転)の手続きが大変なのです。
理由として、管轄する行政により、手続き期間に相違があります。
年単位になる場合もあります。
また「青地」の場合、転用手続きを受け付けないこともあります。
ご希望の土地の地目が農地の際は、専門家にすぐに相談することをお勧め致します。
農転が出来るのか?
どれほど時間がかかるのか?
を確認して下さい。
 
 
★開発許可の有無
都市計画法にて、市街化区域や都市計画区域などにて
一定規模以上の建築物を建築するためには、
知事(指定都市等では市長)からの開発許可を受ける必要があります。
市街化区域や都市計画区域に該当する場合、注意が必要です。
農地同様に、専門家にすぐに相談することをお勧め致します。

★福祉のまちづくり条例
クリニックの建築面積により、福祉のまちづくり条例にて定めている整備基準を順守しなくてはなりません。
管轄の市区町村により異なりますが、東京都の場合、200㎡以上の面積から該当となります。
整備基準は主に患者さんが利用する部分となります。
 ・出入口の扉の有効開口 ・クリニック内部の扉の有効開口 ・通路の幅
 ・だれでもトイレの設置 ・車いす対応のエレベーター ・階段や傾斜の仕様 など
上記により、レイアウトや配置に制限される場合がありますので注意が必要です。
 
 

土地は先生が思っている以上に奥が深いことがあります。
上記はポイントの一部となります。
そのため、早い段階で専門家に相談することが大切です。
 
次回は、現地確認のテナント編についてご紹介したいと思います。

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