医療設計の気を付けるべき落とし穴

医療設計 ~内装設計のポイント③ ~コスト編②~~

医療設計のコーディネーターをしています鈴木です。
 
前回に引き続き「内装設計のポイント」の「コスト編」をご紹介していきます。
前回コストの違いとして、下記の平面図面から判別し辛い物をご紹介致しました。
 ・防音性、遮音性
 ・扉の仕様(既製品、造作物、施設用、家庭用)
 ・水栓の自動、手動
 ・水栓のお湯が出る、出ない
 ・照明器具、間接照明
 ・デザイン
 ・BGM、スピーカー、呼出しマイク、LAN
 ・換気設備(給気・排気)
 ・エアコンの仕様と数
 
この内容の有無で金額差は変わってきますが、金額差の一部分となります。
 
ここで一つ質問があります。
次の2つの画像はクリニックの待合室となります。
 
床材・壁紙・扉・ソファー・受付カウンターの色味を変えたデザインとなります。
金額が高いのはどちらでしょうか?
 
  
 
同じ素材の色違いでありましたら、基本金額は変わりません。
つまり、答えは同じです。
 
金額が変わらず色味デザインを変更するだけで、クリニックの印象を変更することが出来ます。
そのため、先生方の診療科目や地域に合った色味を出来る限り行なう方が良いと思います。
 
金額が変わる部分としまして、使用する素材となります。
待合室は患者さんがクリニックで一番長く居る場所となります。
色味やデザイン、使用する素材など、設計や施工をお願いする業者としっかりと相談して下さい。
 

ここで、クリニックの工事費用を抑える方法をご紹介致します。
コストダウンの秘訣・方法は次の通りです。
 
★既製品を活用する
コストダウンの一番の方法です。
 
 ■既製品と製作家具の価格差は倍以上!
 
製作家具は、形状・サイズ・仕様・素材などフルオーダーのため
使い勝手重視、見栄え重視、デザイン重視など色々と対応することが可能です。
しかし、その分、コストがかかります。
既製品は製作家具と違い、形状や仕様・サイズが決まっています。
既製品のサイズに合わせて設計することにより、コストを下げることが可能となります。
既製品で代用出来る物・出来ない物は下記となります。
 
 
製作家具と既製品の大きな差の一つとして
デザインやカラー面での優劣となります。
最近は、患者さんに見える部分は製作家具(または、開業当初は既製品、将来製作家具)、
スタッフしか見ない場所は既製品を活用するなど
コストのメリハリを行う先生が増えてきています。
既製品のデザインやカラーに不満が無いようでしたら、既製品を活用することをお勧め致します。

★将来を見越したデザイン設計
ポイントは次の通りです。
 
 ■動線(表と裏)
コラム記事「医療設計 ~内装設計のポイント② ~スタッフ編~~」でご紹介しましたように
動線が悪いと診療の業務が止まったり、患者さんの回転効率が悪くなります。
そして、余分にスタッフさんを雇わなければいけないことに繋がる場合があります。
つまり、収入は減るけど、人件費が上がると言う経営に良くない状況
となってしまいますので動線計画はコストにおいて重要となります。
 
 ■素材や材質の選定
耐久性に優れた材質を選定することもコストダウンに繋がります。
耐久性が悪いと、数年で交換しないといけないと言うことがあります。
初期費用は抑えられるのかもしれませんが、
数年後に同じ金額(またはそれ以上)をかけることになりますので結果として割高となってしまいます。
例として、壁紙や照明器具がありますのでご注意下さい。

 ■将来のリニューアル時に注意?
クリニックのリフォームは診療を続けている限り、大なり小なり行う日がきます。
将来の可能性を見越して設計することにより、リフォーム時の費用やリフォームの工期を抑えることが出来ます。
リフォームを行う場合、基本的に診療を行っていない時に実施します。
夏のお盆休みやゴールデンウィークのまとまった時に行うのが一般的ですが
この期間内にリフォームの工期が出来ない場合、休診日を設ける必要があります。
診療を休むと必然的に収入が減ります、また工期が多い分、リフォーム内容が多くなり工事費用が高くなる場合があります。
リニューアルのサイクルを考えておくことは結果としてコストダウンに繋がります。

★イニシャルコストとランニングコスト
設計の平面図から診療のイメージを行うことが大切です。
ご自身の動きだけでなく、受付・看護師・スタッフ・患者さんなどなど
 
 ・患者さんの待ち時間は?
 ・患者さんの診察・処置時間は?
 ・スタッフの人数は?
 ・スタッフの動きは?
 
機能的、効率的でないと・・・
 診療の業務が止まる、患者さんの回転率が下がるなどに繋がる可能性があり
 ランニングコスト(毎月の支出)が高くなる場合があります。
 
※イニシャルコスト(初期費用)は一度だけ
※ランニングコストはずっと
 
 
ランニングコストを抑えることは経営面にて重要となります。

次回も「コスト編」として続きをご紹介していきます。

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