医療設計の気を付けるべき落とし穴

医療設計 ~内装設計のポイント③ ~コスト編①~~

医療設計のコーディネーターをしています鈴木です。
 
前回に引き続き「内装設計のポイント」をご紹介していきます。
今回は重要なポイントとなる「コスト編」です。
 
始めに、先生方に3つの質問があります。
Q1、500mlのペットボトル(例としてポカリスウェット)を購入する際、A~Cのどちらのお店で購入されますか?
 
 A店:100円  B店:130円  C店:150円
   
 
ペットボトルはどこで購入しても同じ商品のため、A店の100円を選ぶかと思います。
 
 
Q2、車(ベンツ)を購入する際、A~Cのどちらのお店で購入されますか?
 
  A店:1,000万円  B店:1,300万円  C店:1,500万円
  
 
車の場合、ショールームなどへ行き、実際に見たり、試乗を行い体験すると思います。
また、オプションなどは商品やサンプルなどを見ながら、細かく仕様を決めていくのではないでしょうか?
そのため、購入金額は人それぞれ相違してきます。
実物を見ることが出来るため、金額に納得されて購入することと思います。
つまり、全ての店で可能性があります。
 
 
Q3、クリニックを開業する際、3社から内装工事の見積もり金額が出てきました。A~Cのどちらの会社を選びますか?
  A社:1,000万円  B社:1,300万円  C社:1,500万円
  

上記2つの質問と違い、
「平面図(業者によりイメージ画像がある場合があります)」と「概算見積書」で判断を行うことになります。
同じ面積で同じような間取りだとしても、
使っている物が一緒で無いこと、実物や完成の状態を見ることが出来ないなどから、判断がなかなか難しいことと思います。
そのため、一番安いA社に依頼したい気持ちになるかと思いますが、ここがコストの注意点となります。
 
注意点のポイントとして、大きく2つあります。
 
一つ目として、概算見積書と工事項目です。
 
概算見積書とは、
細かな仕様ではなく、大体の数量や設備を業者が想定して決めている見積金額となります。
3社から提出される概算見積書の金額がバラバラなのは、工事項目や内容、仕様が全社相違している可能性があります。
そのため、今後の打合せにて金額変更の可能性があることを覚えておいて欲しいです。
また、見積書を見る時のポイントは表紙の金額ではなく、その次にある工事項目が重要となります。
相違金額の理由として、工事項目が無いまたは少なく(または過剰に)見ている可能性があるためです。
それぞれの概算見積書の工事項目を比較するようにして下さい。
 
重要なのは
何の工事が含まれているのか?
また、含まれていない工事内容があるのか?
 
概算見積書の段階ではこの確認が重要となります。
不明な点などはその都度、業者さんへ確認することが大切です。
 

二つ目として、平面図面の違いです。
 
会社が違えば出てくる平面図面が違うのは当然のことと思われるかもしれません。
ここで言う平面図面の違いは、全体的な内容ではなく、もう少し細かいこととなります。
平面図面からコストの違いが「判別し易い物」と「判別し辛い物」があります。
 
 
判別し易い物として
 ・部屋の数(壁と扉でしっかりと囲われた部屋)
 ・扉の仕様(引き戸・開き戸・折れ戸など)と数
 ・造作物(受付カウンターや収納、棚などの家具)の有無
 ・手洗い、流しの数
 ・トイレの簡単な仕様(タンク付き・タンク無し)と数 など
 
判別し辛い物として
 ・防音性、遮音性
 ・扉の仕様(既製品、造作物、施設用、家庭用)
 ・水栓の自動、手動
 ・水栓のお湯が出る、出ない
 ・照明器具、間接照明
 ・デザイン
 ・BGM、スピーカー、呼出しマイク、LAN
 ・換気設備(給気・排気)
 ・エアコンの仕様と数 など
 
上記内容だけでも金額差が大きく影響致します。
始めは安く提示して後から工事項目の追加で金額を釣り上げていく業者もあると言われていますので注意をお願い致します。

次回も「コスト編」として続きをご紹介していきます。

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