医療設計の気を付けるべき落とし穴

医療設計 ~内装設計のポイント② ~スタッフ編~~

医療設計のコーディネーターをしています鈴木です。
 
前回に引き続き「内装設計のポイント」をご紹介していきます。
今回は「スタッフ編」です。
 
スタッフさんが動きやすい動線、働きやすい環境を創ることも大切です。
ポイントとして下記の4つです。
 

①裏(スタッフ)動線の確保
スタッフさんが患者さんと接触する場所を必要最低限とすることが重要です。
言い換えると、患者さんとの対応する場所は必要最小限とすることです。
 
理由として、患者さんと接触する機会が多いと、
患者さんから話しかけられてしまい、対応することによりスタッフさんの業務が止まってしまうためです。
スタッフさんの業務が止まってしまうと、
診療の業務も止まったり、患者さんの回転が悪くなったりします。
そして、余分にスタッフさんを雇わなければいけないことに繋がる場合があります。

つまり、収入は減るけど、人件費が上がると言う経営に良くない状況となってしまいます。
そのため、患者さんと接触する場所は、受付や診療室や処置室、検査室など診療スペースとすることが大切です。
患者さんと接触しない裏動線を配置することにより、スタッフさんが効率的に動けることになります。
 
また、裏動線を配置するメリットは他にもあります。
 ・患者さんにバタバタしている姿や様子を見せない
 ・スタッフ同士の会話を患者さんへ聞かせない
 
バタバタしている姿やスタッフ同士の会話を見せられることは、
患者さんの評価として良い印象に繋がらないため避けた方が良いです。
 

 
②収納の配置
診療や処置における消耗品などの設置場所を設計の段階から検討することが大切です。
吊り戸棚やキャビネットを効率良く配置することにより、限られたスペースの中でも収納力を高めることが可能です。
うまくレイアウトが出来ないと、通路幅が極端に狭くなったり、動線が遠くなったりすることがあります。
 
最近、管轄の保健所から医療廃棄物の収納場所について厳しく言われる場合があります。
保健所により医療廃棄物の設置について考え方が異なるため、事前に確認することをお勧め致します。
 
 
③倉庫・バックヤードの重要性
忘れがちとなりやすいのが倉庫・バックヤードです。

配置することにより下記のメリットがあります。
 ・増え続ける書類や物品などの保管
 ・季節家電(オフシーズン)や掃除道具の収納スペース
 ・時には患者さんに聞かれたくない会話のスペースとして
 ・スタッフさんが勤務中に嫌なことがあった際の一息つく場所として
  (特に患者さんとの対応の時に嫌なことを言われる場合があります)
 
倉庫を用意していないと、上記の保管・収納場所に困ることに繋がります。
 
 
④院長室とスタッフルームの配置
■あえて院長室とスタッフルームを隣同士に配置しないこともあります。

理由として、隣同士だと話し声が聞こえてくるため、休憩時間に休めない場合があります。
休憩のためや、時には聞かれたくない会話を行う際の予防(個別面談など)として配置することもあります。
 
 
■面積が足りない場合、院長室を配置しない場合もあります。
ここでの注意事項としまして、
 重要書類や金庫などの保管場所をどこにするのか?
 他のスタッフに聞かれたくない時の面談や電話を行う場所をどこでするのか?
を検討する必要があります。
 
■面積により、スタッフルームではなく更衣室(更衣スペース)となる場合もあります。
スタッフさんのロッカーと更衣スペースの確保は重要です。
スタッフさんの中には、広い待合室や処置室などで休憩を行うこともあります。
この場合、お弁当の匂いが部屋に残っていることが多く、
午後診療の時に来院した患者さんに気付かれることがありますので注意が必要です。

次回のポイントは「スタッフ編」を予定しています。

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