クリニック経営成功法則
USPの変革
④有明こどもクリニックのUSPの変革
開業当初は、「国内の乳幼児(1−4歳)死亡率が先進国でワースト2位という状況を改善したい」というミッションを元にクリニックをはじめました。
そして予防接種の急速な発展や、事故防止の普及が当たり前になっていくにつれて、国内の乳幼児死亡率は徐々に改善されていきました。つまり、USPが日に日に無くなっていく状態です。
そこで我々のミッションを新たに定める必要がありました。当時診療を行いながら、地域の皆様のニーズを伺っているうちに、保育園に入るのも大変、入った後も子供が頻回に感染症にかかるためお休みが多く、有給が不足し、子育てと仕事の両立が大変という声を多く伺いました。
そこで「働くパパ・ママたちが笑顔で安心して子育てできる環境を作り、2人目、3人目を産みたいと思って欲しい」という想いに変わっていきました。
我々の定めるミッションも顧客も変わり、次のように定めました。
我々のミッションは「笑顔で安心して出産や子育てができる社会を創ることである」
我々の顧客は「子供の健康を願う働くパパとママ」である
その上で、働くパパとママが何を求めているかを直接聞いたり、考えたり、院内で話し合ったりしています。
現在の有明こどもクリニックのUSPの具体例
・お仕事の終わった後も、お休みの日も!日曜日から月曜日まで毎日診療、平日夜21時まで診療します
当院は、顧客である「働くパパ・ママ」は、主に平日中心で勤務されている方が多い地域になります。
そのため、豊洲院では平日は9時から21時までノンストップで診療し、お仕事が終わったあとでも通院できる体制づくりをしています。
また保育園からの呼び出しも、お昼寝の前後が多いと言われています。その時間帯はお昼休みと重なり、診療していないため、保育園へお迎えに行ったとしても、15時頃まで診療を受けられずに自宅で待機することになります。
一般のクリニックが昼休みの時も診療を続けられる体制を築いていこうということになり、2診体制でお昼休みを交代して取りながら、9時から21時までノンストップで平日は診療することにしました。
また、働くパパ・ママがお休みの日でも通院しやすいように、土日も診療するようにしています。
・子供だけではなく、大人も診療します
子供が健康でいるためには、パパ・ママにも元気でいて頂かなくてはなりません。また具合の悪い子供の看病をするのはパパ・ママです。
そのため、パパ・ママの体調管理もするようにしています。
パパ・ママが元気でいられれば、子供の回復も早くなると考えています。
・診察、ワクチン、健診、全て予約がなくても必ず見ます
子供の病気は待った無しです。
しかし、だからといって、働くパパ・ママには時間が不足していることが多いため、予約制も必要です。
そこで当院では、ディズニーランドをモデルに、時間予約を希望される方へ枚数限定の予約チケットを用意し、予約がとれずに来院された方も同時に診療を進められるような体制を築いています。
また、ワクチンや健診の多くは公費で行われますが、期限があるため、完全予約制にしてしまうとせっかく公費で受けられるはずの期限が過ぎてしまうことがあります。そのため、我々は予約がなく直接来院した方々へもワクチン、健診などを行える体制を築いています。