クリニック経営成功法則

USPの具体例

②ミッションからでてきた有明こどもクリニックのUSPの具体例を紹介していきます。

  • 子どもの怪我も診療、健診で事故防止

当時の乳幼児の死因第1位だった「不慮の事故」を少しでも減らすため、乳幼児健診と合わせて、月齢別・年齢別に起こりやすい怪我や事故の話をして、予防することに努めていきました。

事故予防の啓発に取り組むというのは、USPになったかと思います。

特に死因の多くを占めていた窒息と溺水については、「このくらいの輪っかを通るものは子供が飲み込む危険性があるので、手の届かないところに置くように」、「つかまり立ちをしたり歩き始めると溺水の危険が高まるので、お風呂のお湯は必ず抜くように」というように具体的な説明をして予防を促すなど、他のクリニックにはない独自の色を打ち出していきました。

さらに、通常は内科的な疾患を見ることの多い小児科ではなりますが、子供が怪我をしたときに、どこに通院したら良いのか親の立場に立つと困ってしまうと聞いたことがあります。

当院では私がもともと救急で働いていたこともあり、怪我の診療は慣れているため、開業後も子供達の怪我を診療させていただいています。

我々は子供達の外傷についても診療することで、軽微な怪我で来院されたとしても、この年齢ではこのような大きな怪我があるということを説明して、予防ができるようにパンフレットで説明するようにしていきました。

  • 明確なターゲット:乳幼児健診を受ける子供、怪我をしたときの子供
  • ユニークなベネフィット:他の大きな怪我も予防できるように、事故防止をパンフレットで説明する

 

  • 輸入ワクチン

開業当初に輸入ワクチンを行なっていたのも当院のUSPです。これもミッションに近づくために行なっていました。2010年当時は日本で摂取できる予防接種は限られていて、特にポリオのワクチンに関しては生ワクチンの副作用がメディアで取り上げられ、接種率が下がる一方でした。しかし、中国やインドなどのアジア圏でまだ野生株によるポリオ感染症は発生していたため、接種率が下がると国内の集団免疫が機能しなくなり、ポリオが持ち込まれてしまう危険性があります。そのため不活化ポリオワクチンを輸入し、さらに当時の日本では3種混合ワクチン(DPT)までしかなかったのを、海外では不活化ポリオワクチンが含まれる5または6種混合ワクチンを接種することがスタンダードとなっていたため、当院では6種混合ワクチンを導入して、先進国の予防医療が受けられる体制作りをしていきました。この頃、有明の認可保育園に通園する0歳の子供達の9割は、6種混合ワクチンで予防接種を進めている状況となりました。

  • 明確なターゲット:生ポリオワクチンに不安をもつご家族
  • ユニークなベネフィット:輸入ワクチン、特に6種混合ワクチンの提供


このように他のクリニックがやっていないUSPに取り組めば、当然ながらリスクを取らなくてはなりません。それでも、周囲と同じことばかりしていては、「このクリニックでなくてはならない理由」がなくなり、選ばれるクリニックになることはできないでしょう。顧客のニーズを把握した上で、他にはない付加価値をつけていく必要があります。

 

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