ライフプランとクリニック開業方針について(前編)

 今、この記事を読んでいただいている先生方のほとんどは、医師になったばかりの時には開業医になりたいという思いがあった訳ではないのではないでしょうか。様々な研鑽をつみ、多くの経験を経て、そしてある時、開業してみてもいいかも、開業ってどんなものなのだろうと思い始めたのではないでしょうか。


 今まで多くの開業相談を受けてきた中で、開業を思い立った理由で多いものは以下のようなものです。


・自分の子供を将来医学部へ通わせることを考えると、今の勤務医の収入では足りない。

・勤務先で役職が付いて、会議の時間が増えた。自分は患者さんとの関わりを持つことに喜びを感じるのに。

・定年後のことを考えると、今のまま働き続けて良いのだろうか。

・当直や手術が体力的につらくなってきた。

・子供とのかかわりを増やすために、時間の使い方は自分で決めたい。


 上記のような理由に、性別、家族構成、学歴、職歴や関わる人々の事を掛け合わせると、開業が百人百様であるということが、理解いただけると思います。違う視点で考えると、それぞれのライフプランによって、開業に求めるものや、開業の成功の定義までもが変わってくるという事です。


 したがって、開業を考えるときには、ライフプランが欠かせないものとなります。開業は人生の一大事ではありますが、ライフプランの中では一つの出来事です。まずはご自身のライフプランをしっかりとたて、その中でどのように開業が関わってくるのか、しっかりと検証を行わないと、方向性を誤る可能性があります。


 「ライフプランをたてる」と言うと、難しく感じるかもしれませんが、順序だてて行えば、そんなに難しいものではありません。まずは、「将来こうしたい!」という想いを整理していきます。例えば、


・どのような人生を過ごしたいのか

・どのような仕事をしたいのか

・仕事をいつまでしたいのか、

・仕事をリタイアしたら、その後はどうしたいのか

・配偶者とどのように関わりたいのか

・子供とどのように関わりたいのか

・子供の教育と進学をどのように考えるのか

・さらに子供が欲しいのか


といった事です。誰もが考えていることです。


 そして、その想いにお金を紐づけていきます。このためには、まずは現状分析を行わなければなりません。毎月いくら入ってきて、いくら出ていっているのか、何にいくら使っているのか、貯金は出来ているのか等を、細かく書き出していき、将来にわたり各項目ごとに増えるのか、減るのか、変わらないのか、変わるのならいくらになるのか、把握します。


 現状分析が終わったら、次は将来かかるお金を把握します。先に洗い出した「想い」の中から、主に自分と配偶者の将来、子供の教育と進学、住宅に関すること、親の介護等を検討して、これを行うためには、いつ、いくらお金がかかる、という事を把握します。


 現在かかっているお金がどうなるのか、将来かかるお金がどうなるのか、だいたいお子様が社会人になるくらいまでの期間について、把握をしていきます。これにより、今からお子様が社会人になるまでの間に、いつ、いくら必要なのか、算出できることになります。これで、ライフプランは完成です。


 ライフプランが完成すればおのずと、開業した際には、いつまでにいくらストックを作らなければならないか、把握できるようになります。そうすると、結果として開業の規模感を定義できることになります。

(後編へ続く)


ライフ・メディカル株式会社

田口 和宏
 

 

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