医療機器(電子カルテ含む)と各科毎の総額について

 金額の話に入る前に、まずは医療機器検討の考え方と診療方針の関係性について、説明します。最初に、医療機器については、「絶対に必要な物」と「悩ましいもの」に分けて考える必要があります。以下の表では「基本導入機器」と「その他」と例示していますが、どこでどのような開業をするとしても欠かせないものは、開業の早期(物件探索前)に洗い出す必要があります。

 

 なぜならば、医療機器には、設置スペースやインフラ等の整備が不可欠であり、医療機器次第で必要面積も変わります。また、天井走行のレントゲンであれば一定の天井高が必要です。MRIを導入するのであれば、搬入ルートが確保できるか、設置場所が重量に耐えられるか、磁場に影響を及ぼす要因が無いか等、かなり制約があります。電気容量の確認も非常に重要な物件検証の要素です。このように、物件選定に非常に大きな影響を与えます。

 

 以下に、各科毎の大まかなパターンを記しました。当然、地域・時期・先生等様々な要素で金額は上下しますが、一定の目安としてとらえていただき、開業準備を進めていただきたいと思います。

 

 

一般内科・呼吸器内科

1,400万円~2,200万円

基本導入機器

電子カルテ、CR、レントゲン、心電計、超音波、AED

その他

予約システム、CRP、血球計数器、スパイロ、スモーカーライザー、パルスオキシメーター、生化学検査装置、血圧脈波測定装置、オートクレーブ、ネブライザー他

一般内科・呼吸器内科は、血液検査をどこまで導入するかによって、違いが出てきます。特に一般内科で子供を診る場合、及び呼吸器内科の専門疾患対応のために、CRP・血球計数器は導入の割合が高い。

 

消化器内科

2,500万円~3,500万円

基本導入機器

電子カルテ、CR、レントゲン、内視鏡、心電計、超音波、AED

その他

予約システム、CRP、血球計数器、スパイロ、スモーカーライザー、パルスオキシメーター、生化学検査装置、血圧脈波測定装置、ネブライザー、オートクレーブ他

消化器内科は、内視鏡の構成・メーカー・グレード等によって、違いが出てきます。

パターンとしては、①経鼻のみ、②経鼻+経口、③経鼻+大腸、④経鼻+経口+大腸に分かれます。まずは上部のみか上部+下部かを決める必要があります。

初期投資の節約という意味で①や③を選ばれる先生もいらっしゃいます。最近の開業では経鼻の導入が無いパターンは非常に少なくなっています。

 

循環器内科

1,800万円~2,600万円

基本導入機器

電子カルテ、CR、レントゲン、心電計、超音波、AED

その他

予約システム、CRP、血球計数器、スパイロ、スモーカーライザー、パルスオキシメーター、生化学検査装置、血圧脈波測定装置、運動負荷心電計、ネブライザー、オートクレーブ他

心電計は12誘導、超音波は心エコーと、他の内科と比較して基本導入機器は高額となる。その他は血圧脈波測定装置、運動負荷心電計の導入は多い。

 

小児科

800万円~1,500万円

基本導入機器

電子カルテ、予約システム、AEDCRP、血球計数器、ネブライザー

その他

CR、レントゲン、超音波、スパイロ、パルスオキシメーター、オートクレーブ他

小児科はレントゲン・CRを導入するか否かで違いが出てくる。導入するクリニックでは、小児内分泌が専門で骨の成熟度を調べるため、若しくは肺炎疑い時等の見落としをなくすために導入している。

 

整形外科

2,800万円~4,000万円

基本導入機器

電子カルテ、レントゲン、CR or DR、リハ機器、AED、オートクレーブ

その他

骨密度測定装置、超音波、心電計他

整形外科は、レントゲンは天井走行が主流である(天井高は要注意、導入不可の場合には壁走行)。レントゲン画像診断システムはCRDRのどちらかが選択肢となるが、1患者あたりの撮影枚数が多い整形外科ではDRが主流。リハ機器は千差万別だが、実際の開業の際にはリハ室の面積確定を早めに行わないと全体レイアウトが組めないため、早期に決める必要がある。

 

皮膚科

600万円~1,800万円

基本導入機器

電子カルテ、予約システム、顕微鏡、AED、オートクレーブ

その他

レーザー、電気メス、その他美容関係機器他

皮膚科は、レーザーや電気メス、美容関係機器をどこまで導入するか、導入機器の種類や数量等によって違いが出てくる。

 

精神科

400万円くらい

基本導入機器

電子カルテ、予約システム、AED

その他

心電計、オートクレーブ他

精神科は、医療機器には大きな金額はかかりません。心療内科標榜の際に、多少違いが出てくる可能性もあります。

 

耳鼻咽喉科

2,000万円~2,800万円

基本導入機器

電子カルテ、画像ファイリングシステム、予約システム、診療ユニット、診療椅子、ヘッドライト、顕微鏡、CCDカメラヘッド、めまい検査、電子内視鏡、聴力検査、ネブライザー、オートクレーブ、麻酔装置、その他耳鼻科一般機器、AED

その他

超音波、電気メス、レントゲン、CR、レントゲンBOX、他

耳鼻咽喉科は機器の種類も多く、非常に細かいのですが、大きく違いが出る部分はレントゲンの導入についてです。この有無により金額も必要面積も大きく変わってきます。

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