いまさら聞けない!電子カルテ
電子カルテの種類
大きく分けると、電子カルテには『オンプレミス(院内サーバー型)』と『クラウド(外部サーバー型)』があります。
以前は、『単体型』というのもありました。当時はコンピューターもサーバーも高価で、簡単に買えるものではなかったので、全部一台でやってたんですよね。その後オンプレミス型が使われるようになり長い時代を支配してきましたが、ここ2-3年くらいの間で徐々にクラウド型が使われるようになってきました。
実は、カルテをクラウドで作る技術自体は、もっと前からあったんです。しかし、個人情報保護法などで「院外のサーバーにデータを送るのはご法度」といった規制があったので、なかなかクラウド化は進みませんでした。最近ようやく時代の流れに合わせて法律が変わってきたため、クラウド型電子カルテが伸びてきた……、という背景があります。
さて、よくオンプレとクラウドを比べたメリット・デメリットを聞かれるんですが、単純に「新しいほうがいい」です。新しい潮流のほうが確実に技術クオリティーが上がっています。できることの可能性も広がります。
前述のように、電子カルテは単体からオンプレに移り変わってきたという歴史がありますが、これからはクラウドの時代ですね。オンプレはすでに衰退し始めています。
よくオンプレの利点として「カスタマイズ可能」というのが挙げられますが、将来的にはクラウドもカスタマイズできるようになると思います。
今後、電子医療情報はきちんと規格化されてくるはずです。データの形が確立化されれば、各メーカーは『カスタマイズ性』にこだわるしかないんですよね。だから、これからはクラウドもどんどんカスタマイズできるようになると思います。
そうなると、オンプレの魅力は何もなくなってしまいますよね。価格もクラウドに比べてかなり高く、サーバーは軽自動車一台分くらいしますから。しかもそれが永久に使えるわけではないので、数年ごとに買い換える必要があります。
「オンプレは衰退する」と思っているのは、こうした理由からです。もちろん既存オンプレのクライアントのインターフェース部分は残ると思いますが、サーバーはクラウド化していきます。すでに変換期の最中ではありますが、2020年くらいが大きな境目になるんじゃないかと思っています。