いまさら聞けない!電子カルテ
電子カルテ導入のメリット・デメリット
メリット
大きなメリットは単純に「字が読めること」です。
患者個人のカルテには、複数の先生が記入をします。しかもそれを、さらに他の先生や看護師、検査技師などが読むわけです。メンバーにきちんと情報を共有するためにも、「誰でも読める文字で記入できる」のは電子カルテのメリットだといえるでしょう。手書きの場合は、どうしても読みづらいことがありますからね。
それから、これに付随したメリットではあるのですが「間違いが少ないこと」も挙げられます。
以前は基本的に処方箋も手書きだったので、誤読による用量のミスも考えられました。形が似ている数字、例えば4と9を読み間違えてしまうとか。もしこうしたミスが起これば、薬害につながってしまう危険性もあります。しかし、電子カルテを導入すれば、誤読によるミスは少なくなります。
また、「時間の短縮」もメリットの一つです。特に診察が終わってから会計までの時間は、レセプトコンピュータ(レセコン)と電子カルテの連携により、大きく短縮できています。
あとは、「保管場所が必要なくなったこと」。紙カルテは膨大な量を長期間保存する必要があるため、かなりの場所が必要となります。保管場所のことを考えると、電子カルテのほうが圧倒的にメリットが大きいですね。
デメリット
デメリットは、コストですね。特にオンプレの電子カルテは導入コストが決して安くはありません。維持メンテナンス費用もかなりかかっていましたし、学習コストもそれなりでした。
クラウド型の普及とICT技術の浸透により、これらデメリットはほぼ解消されつつありますが、まだ現代の電子カルテはコンピューター本来の性能がいかせていない印象です。特に検索機能が弱い、というデメリットがあります。情報量が膨大なため、ピンポイントで素早く『ほしい情報』にアクセスできる電子カルテシステムはほとんどありません。
UI(User Interface)についても、ゲームやスマホアプリなど他の業界ではどんどん進化していますが、医療システムにおいては、まだまだですね。私のように扱い慣れている人間でも、マニュアルを読まないと操作どころかインストールすらできないものが多々あります。
電子化すれば時間短縮できるはずなのに、使い勝手が悪い場合は、逆に時間がかかってしまう可能性もあります。