クリニックのトラブルを防止する就業規則とは

クリニックにおける採用

第4回のテーマは、「採用」です。


「せっかく雇った従業員がやる気がなく能力も低い。辞めてほしい。」こんな場合は、どうすればよいでしょうか?


試用期間中でも、辞めさせることは容易ではありません。これは、内定期間中でも同じです。「試用期間であれば、簡単に解雇できる」と誤解してはいけません。内定期間中でも試用期間中であっても労働契約は成立しており、事業主から「適正のないことや能力の低いこと」を具体的な根拠で示さなければなりません。


こうようなトラブルを防止するためには、就業規則での工夫が必要になります。


試用期間中の解雇では、以下3つがポイントになっています。


1.就業規則に試用期間の本採用取消事由が記載されていること
2.従業員に適格性があるかないかの客観的に判断できるデータがあるか
3.クリニック側が適格性のないことを本人に伝えて指導していたか


就業規則に試用期間中の解雇事由を単独で記載することが必要です。どこか他の項目と組み合わせるのではなく、あくまで独立した項目として記載すべきです。また、従業員本人に対して、どういう場合に本採用を取り消すのかを入社前や試用期間中に説明しておきます。試用期間中に従業員の適正に問題があった場合には、その事を従業員に伝え指導したメモも残しておきましょう。


採用後に解雇しなければならないトラブル防止対策として、有期雇用制度の活用があります。


これは、試用期間を有期雇用期間とするものです。有期雇用契約でも採用であれば、契約期間を満了する際に次の3つを選択することになります。


1.正社員として採用する
2.もう一度有期雇用契約を更新する
3.期間満了で契約を終了する


もし、採用3ケ月間を有期雇用とした場合は、仮に間問のあった従業員を間違えて採用してしまったとしても、有期雇用であれば、有期雇用期間(この場合は3ケ月)が終了すれば、契約満了にて、問題のある従業員を排除することができます。


「せっかく雇った従業員が、職場で暴言を吐いた。他の従業員が怖がっている。辞めてほしい。」こんな場合は、どうすればよいでしょうか?


採用面接時の工夫も必要です。


前職の退職理由を聞いていなかったことも原因となります。問題を起こす従業員は、過去にも同じような問題を起こしている可能性が高いです。入社時には、面接前にアンケート用紙を配布して、前職の退職理由を自己申告してもらいましょう。


就業規則では、応募者が記載し申告した内容に虚偽があった場合の対処を必ず記載しておきましょう。
<規定例>

不正な申告をした場合には、採用後であってもその採用を取消すことがある。


採用時の注意事項として健康診断があります。


事業主は従業員の雇い入れ日前に健康診断を実施する義務があります。ただし、採用日以前3ケ月以内に受けた健康診断書があれば、雇い入れ時の健康診断を省略することができます。クリニックであるがゆえに、意外にも健康診断が実施されていないケースが数多くあります。

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