クリニックのトラブルを防止する就業規則とは

クリニックの就業規則の整備と運用のポイント

第8回のテーマは、「就業規則の整備と運用のポイント」です。

 

このシリーズの最終回となります。


今までは就業規則の本則について、解説してきましたが、本則以外にも別途規定を定める必要があります。本則以外では、下記の規定や規則を整備する必要があります。


・パートタイマーの就業規則

・嘱託職員やアルバイトの就業規則

・給与規定(基本給・各種手当・賞与・昇給など)

・退職金規定

・産休育児介護休業規定

・継続雇用制度に関する協定

・時間外休日労働に関する協定


就業規則の運用のポイントは、3つあります。


1.現行規則が実情に即しているか?
 せっかく就業規則を作成しても、現場の勤務時間や現場の実態が反映されていないと意味がありせん。


2.事業主(院長・奥様)が内容を理解しているか?
 従業員からは、様々の質問が出てきます。就業規則は、職場のルールですから答えは、ほとんど記載されています。一般的な感覚と違う数字が記載されている時は、トラブルを防止する観点から意図的に記載されていると思ってください。


3.従業員が内容を理解しているか?
 就業規則は、禁止規定や罰則だけでありません。表彰制度や正社員登用や福利厚生の整備についても記載されています。就業規則の整備は、従業員のためでもあります。


さらに就業規則の運用には迅速な改定が必要となります。


就業規則の効力を活かし、クリニックの現場で実際に活用するためには、迅速な規定の改定が欠かせません。就業規則は、職場のルールですから、クリニックに勤務する従業員全体に及ぶ以上、細やかなメンテナンスが職場の雰囲気づくりに直結します。


例えば、既存の規定が現状の職場の実態とそぐわない、というケースは少なくないでしょう。その場合には、即座に、実態に即した内容に変更するべきです。


このようなとき、盛り込みたい内容をどの様に文章化するのか、という点が最も重大なポイントになります。


でも、無理に複雑な文章を使う必要はありません。それよりも、誰もが間違いなく意味を理解できる文章にする事の方が、最も大切になります。そして、就業規則の改定にあたっては、常に、問題意識を持って、日常の労務管理に接していないと対応が後手後手になってしまいます。この点は、管理者である院長の意識改革でもあります。


その他にも、次の場合は、就業規則の改定を行います。

・法改正から求められる対応がある時

・社会経済情勢が変化した時

・経営方針に変更があった時


さて、最後になりますが、就業規則は何故必要なのでしょうか?


それは、トラブルを防止するためです。就業規則は、職場のルールなので、ルールを守ることや徹底することは、トラブルを防止し職場環境を改善していくことになります。


もう一つは、就業規則を整備していることが、従業員に安心感を与えます。安心感を得ることが、よりよい職場づくりの基本となるからです。

この記事をシェアする

バックナンバー

関連記事