開業医のためのクリニックM&A

クリニックM&Aの流れ

第4回のテーマは、「クリニックM&Aの流れ」です。


では、実際にM&Aを選択した場合、どうような流れで物事が進んでいくのかを見ていきましょう。売り手(承継希望者)と買い手(開業希望者)で若干異なりますが、ここでは売り手の手順を見ていきます。


1.事前相談

・最初にコンサルタントや税理士などのクリニックM&A専門家に相談します。M&Aの目的や理由、動機などを明らかにします。いつまでにM&Aを成立させたいかを伝えます。
・M&Aの大まかな流れや手順、費用、さらにメリット・デメリットなどについて説明を受けます。
・希望条件、M&Aのスキーム(出資金譲渡、合併、事業譲渡などがあります。)希望譲渡価格、事業の現状などがヒアリングされます。


2.仲介契約の締結

・コンサルタントや税理士などのクリニックM&A専門家への報酬や契約条件について確認します。
・コンサルタントや税理士などのクリニックM&A専門家との契約をします。


3.概要書の作成

・クリニックの規模、立地、過去の業績などの要素を鑑みて、価格査定を行います。そのために書類や資料(決算書のコピー、リース契約書のコピー、開業地の不動産契約書のコピーなど)を提出します。


4.マッチング

・ターゲットを絞り、アプローチをかけ打診します。この段階での打診は匿名で行うので、こちらの秘密情報が洩れることはありません。

・ターゲットと接触できたら、基礎的な情報を提供してもらい、初期的な分析を行います。

・売り手・買い手ともにOKならば、マッチングの成功です。


5.秘密保持契約の締結と情報開示

・売り手側の詳細内容を開示するにあたり、秘密保持契約を結びます。M&Aでは経営状態から法的・労務的リスクのことまで、クリニックの現状のすべてを開示しなければなりません。


6.条件交渉

・譲渡価格や譲渡時期など実際にM&Aに関する要望について、売り手と買い手と面談します。両者の認識のずれがあるとM&Aはうまくいかないで、この時点での話し合いは綿密に行います。お互いに質問し合い、疑問点などはできるだけ解消するようにします。


7.基本合意書の締結

・大筋で条件が合意できたら、基本合意書を締結します。基本合意は、M&Aを実行する法的な義務を規定するものでは、一般的には価格、譲渡スキーム、譲渡時期など、「これまで話し合ってきた内容で間違いありません」ということを双方が意思表明するために交わされます。

・合意書には、排他的交渉権などが織り込まれます。これによって、双方とも当事者以外と交渉できなくなるため、M&A成立に向けた大きな前進となります。


8.デユーデリジェンスの実施

・デユーデリジェンス(DD)というのは、クリニックの資産的価値を適正に評価する手続きのことです。財務面でのDD、法務面でのDD、労務面DDなどがあり、クリニックの収益性やリスクなどを総合的かつ詳細に調査して、査定額を出します。


9.最終契約書の締結

・すべての交渉が済んだら、最終契約書(スキームによって持ち分譲渡契約書、合併契約書、事業譲渡契約書など)を結びます。この契約書を交わすことで、当事者にM&Aを実行する法的な義務が生じます。


10.クロージング

・対価の終了をもってクロージングとなります。これによってM&Aが実行されたことになります。

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