医療のわかる税理士の選び方

クリニック開設の税務支援 開業費と概算経費特例

第4回のテーマは、「クリニック開設の税務支援 開業費と概算経費特例」です。

 

クリニックを開業する場合には、「開業費」が使えます。

開業費とは、開業を志した時から開業するまでに一定の要件を満たした支出です。こうした支出については、数えあげれば切りがないほどです。領収書等はしっかりと管理し、領収書のもらえないものは日時、金額等を記録しておきましょう。

開業費は、任意償却です。通常、開業当初は赤字になることが多いので、開業費は黒字になってから償却します。さらに、所得税は累進課税制度です。節税効果が最も高くなるように使えると効果的です。

医療機関を開設するとなると、開院の準備に時間と労力が必要となります。開業地の選定、事業計画書の作成、医療機器の選定、建築施工業者の選定、従業員の募集・選考・面接、保健所へ申請、厚生局への申請などをしなければなりません。

 

上記手続きを勤務医がすべて行うことは非常に難しいため、開業医支援を行っているコンサルタントや医薬品卸や金融機関(銀行・リース会社)や税理士がサポートしています。実際には、開業支援するコンサルタントや医薬品卸が中心になって、金融機関や税理士や電子カルテ会社とチームを作って、開業までの期間をサポートしていきます。

 

医療機関の開業数が少なかった時代においては、医療機関の設立は、融資の問題さえクリアできれば、開業後の心配は、ほとんどありませんでした。しかし、現在は、医療機関といえども競争の時代に突入しています。事前の周到な準備を欠かすことができません。


個人事業の開設時などにおいては概算経費特例(租税特別措置法26条)を使える場合もあります。

 

医業を営む個人は、社会保険診療に係る費用として必要経費に算入する金額を、実額ではなく、概算経費で計算することが認められています。この概算経費が適用できるのは、その年の社会保険診療における収入が5,000万円以下に限られます。


年の途中で開業した場合や、医療収入が十分に得ることができない開業して1から2年目の頃は、医療機関独自の税制の一つである概算経費の特例を適用できることがあります。


概算経費の特例により、場合によって実際に支出した金額よりも多めの経費が認められる(実際にキャッシュアウトしていない経費が認められる)ことになります。キャッシュフローの面から言えば、概算経費として実績より多い経費が認められると、所得税と住民税が軽減され、手元現金が多くなります。


もし、年間の社会保険診療の収入が5000万円を少し超えることが見込まれるときに、例えば臨時の休診日を作るなどの調整をして、あえて概算経費の特例を受けることもあります。


なお、平成25年度の税制改正により、平成26年分以後の所得税については、医業及び歯科医業の収入金額(社会保険診療と自由診療の合計額)が7,000万円を超える場合にも概算経費の適用は受けられないこととなりましたので注意が必要です。

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